子供の歯並びについて
咬むことの大切さ
 子供には成人にない、歯の機能・役割があります。もちろん、成人と同様に、食べ物を咬むこと、しゃべることの機能があります。
 子供の場合、咬む刺激によって顎の発育を促し、後から生えてくる大人の歯が入るスペースを作る大事な役目があります。この顎の発育不足と歯の大きさの不調和 = 歯並びの悪さになります(叢生【そうせい】)。このため、しっかり咬むことにより顎の骨に刺激が伝わり、適切に顎の骨が成長させることが大切になります。
 しかし、子供が食べやすいようにと食材を小さくしたり、柔らかいものばかり与えたりすることで顎への刺激が減っているのも事実です。
 子育てのキーワードに食育という言葉が使われます。栄養や食べ物の大切さ、他の命をもらって人間は生きていることなどに注目が集まっています。もちろん大事なことです。しかし、食育の中で咬むことの大切さが忘れられがちです。食べ物を咬むことで、胃腸への負担が軽減される、顔の筋肉を鍛えることができる、満腹中枢を刺激し、食べすぎを防ぐことができる(肥満防止)など、顎を成長させて、歯並びを良くすることだけではない様々なメリットがあります。

(当クリニックでは、咬むための食育の案内(無料)を準備しています。ご希望の方は、スタッフまでお申し付けください。)
悪習癖(くせ)の影響
 食生活と同じぐらい大切な問題が、悪習癖(くせ)です。毎日何回も行われる悪習癖は矯正の力よりも大きく、歯並びに影響を与えます。(例:ほおづえ、指吸い、爪を噛む、唇を噛む、舌を前に出す)
 また、くせとは異なりますが口呼吸(こうこきゅう=口で息をする事)も危険です。常に口の開いている子供の場合、唇の力が弱いため、舌で前に押されて上下の歯が出てくる(出っ歯)になりやすい、口が乾燥しやすいため、唾液によるバリアーが効かない(虫歯になりやすい、風邪をひきやすいなど)問題が生じます。鼻が詰まっている場合(鼻の病気)もありますから耳鼻科を受診しましょう。

 悪習癖が残ったまま矯正を行っても後戻りをしてしまいます。癖を直しただけで歯並びが治る場合こともあります。
乳歯の役割
 乳歯は本来後続永久歯がはえるまでスペースを確保しなくてはなりません。ところが後続永久歯がはえる前に早く抜けたり、むし歯で大きな穴が開くと奥の歯が前に詰めてきます。その結果、歯が並ぶスペースが短くなり綺麗に並ばなくなります。
それでも歯並びが悪くなってきたら
 それでも歯並びが悪くなってきたら、歯列の矯正を行います。

 当クリニックでは乳歯列〜混合歯列期の子供を対象とした床矯正(しょうきょうせい)によって歯列の矯正を行っています。

詳しくは、床矯正についてをご覧ください。
こどもの歯並び簡単チェック
  • 笑顔の時に前歯(乳歯)が綺麗に並んでいて隙間がない、もしくは凸凹している。
    乳歯は「すきっ歯」が理想的。このままでは永久歯の歯並びは凸凹したものになります。

  • 下の歯の方が上の前歯よりも前に出ている。
    いわゆる「受け口」(反対咬合)です。自然に治る確率は5-10%程度です。

  • 永久歯が乳歯の横(前後)に生えてきているのに乳歯が動いていない。
    乳歯から永久歯へのバトンタッチが上手くいってないようです。早期に乳歯を抜歯します。

不明・不安な点があれば、院長にご相談ください。